いったいいつからなんだろう。家に帰ってベッドの上に寝そべりながら考えた。取り戻した幼馴染みをもう一度失った気分だ。今までの長い付き合いの中で、ユキがあんなそぶりを見せたことは一度も無い。いくら記憶をたどっても、浮かぶのはクールなユキの冷めた顔だけで、おれは思わずガシガシと頭をかきむしった。

次会うときはどんな顔をして会えばいいんだろう。そもそも次なんてあるのだろうか。もうこれでユキとの関係は切れてしまったのではないか。そう考えるとそれは余りにも寂しすぎるような気がしたが、もう一方でどこかホッとしている自分がいて余計に頭が混乱した。

静かな部屋の中で腹の虫が鳴る。そういえば朝から何も食べていない。時計を見るともう昼の12:00を回っていた。おれはおもむろにポケットから携帯を抜き、短くメールを打った。

‐わるい。
今日は行けない。‐

さすがにこんな気分でバスケをする気にはなれなかった。お互い毎日、まるで部活でもしているかのように体育館に通いづめの状態だ。そろそろハーフタイムにしてもいい頃合いだろう。おれは、勝手にそう思いながら台所にあるはずのカップメンを取りに立ち上がった。