もっと自分の実力を生かせるコートに立ちたい。

だが、そんな願いも虚しく、それからもおれは、シックスマンのままだった。

そして、中学三年。脹ら脛や腕のあたりにしっかりとした筋肉がつきはじめ、身体の成長と共におれのプレーにはますます磨きがかかってきた。


名門東高への推薦もほとんど決まりかけ、あとはさっさ卒業するだけだ。


だが、その年の夏、

やけに気温の上がりきらない涼しげな夏、


あの事件は起こった。



そして、




今。 †