それもその写真が、おれから3Pを決めているあの試合のカットなのだからたまらない。悔しくないわけがなかった。

「悔しいに決まってるだろ・・・」

ミウの眉間のシワがまた深くなった。

「だったら!」

「だったらなんだよ」

悔しい、確かに悔しい。だがそれだけだった。西高にはバスケ部どころか、部活自体が存在しない。リベンジしようにも、バスケをするチームすらないおれには、どうすることもできなかった。時間と共に悔しさが薄れていくのをただ待つだけだ。

「いいんだ、もう」

それは何度も自分にいい続けてきた言葉だった。

「おれは、ミウとあの寂れた体育で1ON1できればそれでいい」

おれは笑顔でミウにそういったけど、ミウは全然笑ってはいなかった。表情なくおれを見つめて、吐き捨てる。

「根性無し」

ミウは片手を挙げて指をパチンと鳴らした。いつの間にかミウの隣には、あの少年がピッタリとくっついている。

「バーカ」

それは少年ではなく、ミウの声だった。そして、恒例となったあのパターン(やっとこの悪夢から退場できる)。体育館の床が一瞬にして消え失せ、闇の中におれは落ちていった。