レイアップ



敵スタンドから沸き上がる歓声。ベンチは指笛や床をダンダンとリズム良く踏み鳴らし、わざとらしく盛り上がっている。おまけにブザー音。

最悪の展開で第2Q終了。おれは、肩で息をしながらその場に立ち尽くし、ケイトを見ていた。

「ドウシタんデスか。ハーフタイムダヨ」

ケイトは息ひとつ乱さずいった。汗もろくにかいていないように見える(ますますオモシロイ)。

「3‐15」

おれは荒れる息を押さえながら、ケイトを指差した。

「次のQは絶対アンタに勝つ」

ケイトはおれを観察するようにじっと眺めて、呆れたようにいった。

「キミはマダワカってイナイヨウダね。3‐15ジャナイ、35-49ダヨ」

「どっちだって一緒だろ。結局あんたに勝たないとあんたのチームにも勝てない」

ケイトはまた呆れた顔をして、ため息をついた。

「キミは1対5デゲームをスルツモリデスか」

ケイトはそれだけいうと自分のベンチへ帰っていった。