家につくと
ギョッとした顔で弟が迎えた。
「うわ・・・どしたの姉ちゃん」
「傘もってくの忘れたの!亮太タオル持ってきて!」
「えーやだよ」
「いいから早く持ってこいよ」
笑顔で威圧したのが効いたのか
亮太はものすごいスピードで
タオルを持ってきた。
「ごくろうであった。弟よ、下がってよいぞ」
「へ、へい!お代官様!」
全く小学生は操りがいがあるものだ。
「あれ?母さんは?」
「オヤジとデートしてくるって出かけてったよ。晩飯は冷蔵庫の中のもの温めて食べなさいってさ」
「ほぉー わかった」
こんな雨の日にどこ行ったんだろう
娘の私が言うのも何だが
うちは結構家族仲は良い方だ。
たまに二階の部屋まで
怒号が飛んでくる事もあるが
それは日常茶飯事なので
特に大したことはない。
母さんは私が幼い頃から
よく言っていた。
「心と心が通じあっているからこそ
本気の喧嘩ができるのよ。父さんがもしも浮気するような事があれば母さんいつも以上に止まらなくなっちゃうかもしれないけどネ!てへぺろ」
そう話す母さんの顔はいつも優しい笑顔で満ちている。
