今日から夫は暫くいない。

この大きな広い家を見渡してみるとなんだか本当に独りぼっちな気がした。

「いけない…」


私はリビングの時計に目をやる。

軽くシャワーを浴び2階に上がり
寝室の鏡台に腰を下ろした。


鏡に映る自分の顔を見つめた。

その時何故かは知らないけれど
今晩は何か胸がざわつくような事が
起こりそうな予感がした。



いつもより念入りに化粧を施す。

普段平凡で地味な私でも少しは垢抜けるんだな。

心の中で呟く。