化学の小テストの範囲は確か“気体の性質について”だったなぁ〜とぼんやりと思い出しながら教室のドアに手をかけた瞬間だった
ガラッ---
えっ?と思った時にはもう遅かったようで…
「きゃっ」
どんっ
っと誰かにぶつかってしまい尻餅をついてしまった。
『ごめん!佐原さん大丈夫?』
…そこには、さっきまで考えていた周防くんが目の前にいた。
「…だ、大丈夫!!ごめんね、ぶつかっちゃって…」
「…なんで、佐原さんが謝るの??余所見してたのは俺だよ?立てる?」
と、座り込んだままだった私に手を差しのばしてくれた。
「あ、ありがとう」
恥ずかしかったけど、座り込んだままなのもどうかと思うので素直に手を取った。

