今の季節は春、といっても5月に入って桜の木は葉桜となり儚い花びらとは違い青々として生命力に溢れている




後ろからカツカツと急いだようなローファーの音が聞こえてきて、ちょっと微笑みながら振り向いた



「雅美(みやび)?おはよう」


『うわっ、なんで私って分かったの?!』


目を開いて驚いたように言ってくるけど…


「…だって雅美ってばいつも後ろから追いかけてきて私を脅かそうとするでしょ?」

『そ、そうだけど』


「いくら、鈍感と言われようと良い加減に気付くよ?」


そう、実は3日ぐらい前から雅美は私を見つけると後ろから目を隠してくる


『…いや、鈍感っていうのはそういうのじゃないんだけどな……』


「なんか言った?」

ブツブツと雅美が何かを呟いていたから気になって聞いてみても


『え?いや、なんでもないよ』


と、はぐらかしてくるけど


これも前からのことであって
『私がまゆのことを守るからね』
ってよく言われる