「本当にありがとう……」


頬を赤らめ、目を伏せて恥じらう彼女の口から紡がれた言葉に、私は少し戸惑った。

「ど どうしたの急に…」

「私、これでも感謝してるのよ。あなたが居なかったら、私きっと学校がこんなに楽しい場所だなんて知らなかったわ」

「お…大袈裟だなぁ。それより、私だってエリカに教えられたことは沢山あるんだから。おあいこだよ、おあいこ」


そんなに真摯に感謝されるとどうすれば良いの……。

私は無理やり話題を変えようとした。

「そうね…。あいこよ」

そしてエリカは私を見上げ、その頬に───キスした。

「瑠依、私、おばあさんになってもあなたの側に居たいわ…」


甘く儚げな声で囁かれ、顔が真っ赤になる。


「わ…私も、だよ……」

ようやくそれだけ言って顔を背けた。


──そんなこと確認しなくても、私はもうエリカとは離れられ無いのに。