「ん?」
「もしかしてエリカが言ってたのって…これのこと?」
私は窓の外を指差した。
朝は雪ばかりが輝いてまるで別世界のようだったけど…。
溶けた方が綺麗、というのはこういう意味だったのか。
「──本当に今日は…びっくりすることばかりだ…」
窓の外の雪景色。
その白い世界から浮き出てきた色は──深紅。
真っ赤な薔薇が、世界を新たに彩っていた。
雪は水滴となって花を塗らし、一層に輝かせる。
いつまでも見つめたくなるような景色だった。
「此処がね──薔薇園なの」
「え?」
「私が言ってた場所よ。あなたも探したんでしょう?」
そう、探した。
でも最後まで見付からなかった謎の場所。
それが、目の前の──?
「──行ってみる?」
「え…どこに」
「薔薇園に決まってるじゃない。そろそろ雪掻きも終わった頃でしょう」
そういってエリカはコートを手に取った。
