「ここ、って…学校が?」

きっと困惑しているに違いない私の顔を見て、エリカはこく、と頷いた。


「私、校舎の近くの屋敷に住んでるの」

「え-… あぁ、そう言えばあなた、学園長の孫らしいね」


なるほど。

私はまじまじとエリカを眺めた。




「それにしても酷い雪だ。…早乙女さんも早く帰った方が良いよ」


窓の外は本当に激しい吹雪だった。

私も早く寮にこもった方が良さそうだ。





「あの………」




私がそれじゃ、と踵を返そうとしたら、エリカが消え入りそうな声で呟いた。




「あの…良かったら、お茶でもしない?──私のお家で」


「──え?」




思い詰めたように真摯なその表情は、しかし僅かに赤みを帯びていた。