「それがですね──校長にあることを依頼されまして」
生徒会室に入るや否や、即散らばった書類や机の上のものを片付け始めた万里先輩は、何でも無いことのように言い放った。
「学園長?何、何かあったの?」
「もしかして私たちへの苦情じゃないよねぇ」
先輩たちのテンションは一気に上がった。
この単調な雑務の中で、珍しく校長からのご依頼があった──色めき立つのも無理も無いかもしれない。
「私もいまいち意図が良く分からないんですけど、『薔薇園取り壊し』の案があったじゃないですか。あれについて、白紙に戻して欲しいんだそうです」
「薔薇園?」
「白紙に戻す?」
「なぁに、それ」
三人の疑問が一斉に響いた。
(薔薇園…?)
───取り壊さないで…
さっきの美少女が思い浮かぶ。
彼女の悲痛に訴える表情が、何故か私の心に引っ掛かっていた。
