「──どうして来なかったの?」



みっともないほど狼狽している私に痺れを切らして、静架の言葉は落ち着いているが、怒気を含んでいる。



「あの……静架、ごめんなさい、私──」

「だから、どうして来ないのかって聞いてるのよ!」




プチン




一方的に責められる理不尽さに、私の中の何かが切れた。


「静架には、関係無いんだよ!!」


あぁ、人に向かって怒鳴るなんて、何年ぶりだろうか。


燃えたぎる怒り、熱情、そして切なさ。

痛々しくて、それでも止めることなんか出来ない。




「関係無いってどういうことよ!!あなた演劇部のトップでしょ?!」

「それとこれとは別だ!!そういうことを言ってるんじゃ無い!!」

「それって何よ?!練習に来ない理由は何?!」

「それはっ 静架がいるから──っ」

「私がいるから?私の演技は下手すぎて相手にしたくないって言うの?!」

(駄目だ、言い過ぎた──。)

違う、そんなんじゃなくて…。