「はぇ?じゃないっ!!」
どうやら空想の世界に浸ってしまっていたようで。
ふと気付くと反対車線の男子バスケ部はもういなくなり、目の前には…
「あ…一伽かぁー、何?」
同じ女子バスケ部1年の、木暮一伽が立っていた。
「あんたさぁ、さっきから呼んでるのに……まあいいや。今日試合なんだから、しっかりしてよね?」
ベリーショートの髪が、いかにも"バスケっ子"を彷彿とさせる。
ガタイの良い体と、筋肉の付いた足を見れば、どこからどうみてもスポーツプレイヤーだろう。
一方の私はと言えば。
中途半端に伸びた、少しパサついてる髪。
やたらと中途半端にのびてしまった身長。中途半端についた筋肉。