部員たちは、和気藹々と体育館を出て行った。

当校での試合なので、当たりまえだが慣れた様子だ。


その中でふと、山瀬先輩がこちらに振り向いた。

数秒の間目が合い、また向き直るともう彼は去って行った。



私の憧れの先輩。

6番、山瀬 陵二

180ほどの身長と誰もが羨むような顔。

誰からも人気があり、私なんかは手も届かない。



“大丈夫”その一言が、初めての会話で。


それだけでも嬉し「……ろっ!」くて、「…ひろっ!」え?「ちひろっ!!」



「ちーひーろっ!!!!」

「はぇ?」