試合終了のホイッスルが鳴る頃にはもう、真柴中のあの4番の勇ましい表情も消え去っていた。
赤くにじむほどに唇をかみしめ、涙をこらえているようだった。
一方は、何事もなかったかのような涼しい顔で、応援ベンチの前に整列した。
『おい、はやく並べって。』
『ごめん、ちょっ!あっ!』
『何やってんだボケ!!ったく、仕方ねぇなぁ・・・』
『ほら、いくぞ。』
キャプテンである、守島先輩の声で、全員が頭を下げた。
『応援、ありがとうございました!!』
『っしたぁ!!』
『またお願いします!!』
『しゃっす!!』
毎度毎度、っしたぁ!と、しゃっす!しか言えてないことに、つい噴き出す。
