電車の車体と、発せられる轟音に姿は遮られた。


チームメイトと談笑する、彼のまだ少し眠そうな表情を見つめていたいと思った。

先週の試合を思い出して顔を火照らせる。


背中に記された大きな"6"

白く細いが、筋肉質で鍛えられた足や腕。

髪から滴る汗。

猛禽のような目付き。


あまりのその迫力に息が詰まり、声が掠れた。



『あっ・・・・・・!』


突然、審判のホイッスルが鳴り響いた。


彼を止めようとしたディフェンスのファール。

彼の四肢は、フロアに力無く投げ出されていた。


『先輩!だ、大丈夫ですか?!』

すぐ目の前で起こった〈事故〉に動転し、声をかける。