分かれ道。 私はこっちで、友達はあっち。 -ばいばい、また明日学校でね。- そういつもの決まり文句を告げて、手を振って。 お互いに背を向けて歩き出したのは、ほんの数十分前。 もう振り返っても彼女は見えない。 冷たくなったむき出しの両手、指先。 そっと触ると、さっき私が望んでた冷たさが其処にはあったけど。 でも違う。 これは、その冷たさじゃ、ない。 はぁ、と小さくため息。 ふわん、と白い息。 その先には、古い建物。