「はぁ、聞いてなかったのかよ。
だから、今日特別にどっか好きなとこ連れてってやるよ」
「・・・・えぇ!?」
あまりの驚きについ仰け反ってしまう。
そ、それって、デートってやつなの!?
「そんなに驚くことか?」
「驚くよ!」
あんなに意地悪な恭弥がどっか連れてってくれるだなんて・・・。
でも、これってダメかも知れない。
だって・・・。
「恭弥、樹奈さんがいるんだから他の子と出掛けるだなんてダメじゃないの?」
あたしは行きたいけど、そんな事してたら樹奈さんが見つけたら大変なことになっちゃう。
すると、恭弥はまた小さくため息をつく。
「別にいいよ、俺は優実と行きたいって言ってんだから。しかも、俺は樹奈とは別れたいって言ってんだから」
冷めたようにそう呟く恭弥。
なんでこんなに冷たいのかな・・・。
「ねぇ、きょ「あっ、やっぱここにいたのかよっ!!」
その大きな声に後ろを振り返る。


