.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'




あたしの持ってる答案にしっかりと書かれた87点の文字。



あたしはしっかりと見てもらいたくって小走りで恭弥に駆け寄る。



「ねっ、ちゃんと取れたでしょ?」



「本当だ、すごいな・・」



あたしの答案を持ち感心したように頷く。



「やっぱ、奇跡ってあるもんだな」



「ひどい、あたしの頑張りが実ったの!」


あたしがそう言い返すと小さく笑みを作った。



「分かってるよ、頑張ったな優実」



「ありがと・・・」



ニコッと笑う恭弥の笑顔に一瞬胸が高鳴った。



上手く、言い返すことが出来ない。



なんか、吸い込まれてく感じがする。



「・・・み、・・優実!」



「・・・なっ、何!?」



少しの間、真っ白になっていくようなそんな感じがしてしまった。



いけない、いけない。



寝不足なのかな?



そんなことを考えながら、恭弥を見つめる。