.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'




ふんっ、あたしはいつだって平均点以下になるかの瀬戸際ですよーだ。



そんなこと言ったら、またバカにされちゃうから口ごもる。



「まぁ、優実それなりに頑張ってたし。
いけるだろ」



「なにそのそれなりって・・」



上からの態度に少しむすっとする。



「ふっ、そんな顔すんなよ。
お前は絶対合格出来るから」



ぽんっと頭に乗せられた手に安心してしまう。



大丈夫だよね、だって恭弥が付いてくれたんだもん。




ー****



「はぁ、はぁはぁ」



急いで階段を降り、体育館裏を目指す。



早く、恭弥に伝えないとっ!



「はぁはぁ・・・恭弥!」



あたしがあまりにも大きな声で呼んだから、目を丸くしてあたしを見る。



そんな、恭弥にあたしはニコッと笑いながら、白い紙を見せる。



「・・・追試、合格したよっ!!」