.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'




ニカっと笑うと教室を出て行く、山下先生。



「・・・ふぅー・・」



ドアが閉まった瞬間、机にべたっと倒れこむ。



やっと終わったー!!



って、喜びたいところだけどまだテストの結果返ってきてないし、悪かったら成績下げられちゃうから喜べないよね。



どうか、80点以上でありますように!



そう祈りながら、教室を出た。



「あれ、恭弥・・・」



そう小さい声でつぶやくと、あたしの方に顔を上げる。



「ふっ、お疲れ様」


「あ、ありがと・・」


いつになく気を使ってくれる恭弥に少し戸惑ってしまう。



「テスト、合格できそうか?」



「んー・・・自信はあるけど・・」



いつものように手をつなぎながら恭弥と帰る。



「なんだよその微妙な反応」



「だって、自信あるけどやっぱり不安になるもん」



「へぇ、そうなのか・・」



「恭弥は頭いいだろうから、不安にならないだろうけど」



「まぁ、90点以下には基本ならないからな」



当たり前のようにさらっと答える恭弥。