「ねぇ!聞いてるのっ!?」
「聞いてるよ・・・」
どうしよ・・・藍香にこのこと話したら鳥羽君に怒られるだろうし・・。
数秒の間で考えに考え出したあたしの答えは。
「・・・いや!あれはただ、鳥羽君があたしと誰かを見間違えちゃったみたいでっ!あたしもいきなり声かけられたからびっくりしちゃって!」
あはは、なんて変な笑い声を付け足してなんとかその場を乗り切ろうとする。
ポカンとあたしの顔を見ながら固まる藍香。
や、やっぱり、なんかおかしかったかな・・?
「あっ、あの、それでね!」
「なんだ〜・・・それだけなのか。
まぁ、優実は鳥羽君みたいなキラキラした人はあんまり好きじゃないしね」
あたしもうんうんと頷き、その意見に激しく同意する。
「んじゃ、そういうことならもういいや。チャイムなるし、もう行くね」


