興味津々にあたし達を見ていくその視線にあたしはもう耐えられなかった。
「ごめんっ!これだけは本当に無理!」
「あっ、おいっ!!」
力一杯に腕を振りきって全速力で校舎の中に入る。
もー!だから、こんなの引き受けたくなかったんだよー!!
半泣きになりながら、自分のクラスに駆け込む。
「はぁー・・・疲れた・・」
今まで出したこともないくらい全力疾走したため、喉がからっからで自分の机にぐったりうなだれる。
もー、最悪・・・。
「ちょっと、優実!!
登校してくる時のあれは一体なんだったわけ!?」
その、いつも聞き慣れた声に顔上げる。
「・・・藍香・・」
やっぱりそうだとは思ったが、藍香を見てまたぐったりとうなだれる。
工藤藍香(くどうあいか)。
あたしの入学した時からの親友で、綺麗な顔で背も高いのに、性格はとにかく明るい。
おまけに筋金入りの情報屋で、鳥羽君の情報を教えてくれたのもほぼ藍香だ。
その藍香にあの登校シーンを見られてるとは・・・。
心の中で大っきなため息をつく。


