だめだ・・・鳥羽君に何言っても通じない・・・。




まぁ、学校に着いたらダッシュで教室に向かえばいいか。




「てゆうか、なんであたしの家知ってるんですか?」




「あ?だって、昨日お前のこと家まで送っただろ?」




「えっ・・・」




「なんだよ?覚えてないのか?」




「あっ、ううん! そういうわけじゃないです!」




慌てて隠すとじろーっと怪しんだ目で見てくる。




そんな鳥羽君から目線を外して何もなかったように学校を目指す。




言えるわけないじゃん、キスのことで全く覚えてないだなんて!




「あっ、学校見えてきたな」




ふとそう言った鳥羽君の言葉で顔を上げる。




もうそろそろ離れなくちゃ・・・。




「ありがと!あたし行くねっ!」




「おいっ、待て!」




慌てて駆け出そうとしたあたしの腕がガシッと掴まれる。




ゆっくりと鳥羽君の顔を見ると不機嫌そうに眉を寄せてる。




「こっから、2人で行かなきゃなんの意味もねぇだろ?」




「いやっ、そうなんだけどさ・・。
なんてゆうか、その・・・」




周りにも登校してる人がたくさんいてあたし達を見てヒソヒソ話しながら登校してる。



「あれって、鳥羽恭弥君だよね?
あの子だれ?彼女って確か、樹奈さんだったよね?」




「あの女の子って、確か1年の子だよね?ほら、前男子がなんか言ってた!」