「おい、お前、俺たちに抗おうなどと考えているのか?」
「…だったら何ですか!
彼女、嫌がってるじゃないですか!
僕はそんな人をほっとけるほど、優しくない人なわけじゃない!」
「周りの者を、日本の者を、他国の者を、…敵に回してもか?」
「…?、何を言って…」
「…お前、まさか…、気付いていないのか!?
…彼女のバックにわ沢山の山程の人間がついている。
だから大人しく下がれ、と言っているんだ。」
「………」
抵抗していた筈の女性が急に大人しくなる。
首を左右に振った女性は僕を見つめ、寂しそうに微笑んだ。
