カラオケからネオン煌めく街へ出る。
蟻の巣のように街を行き交う人々、密集した高いビルの数々、狭い黒い空、煌々と街を照らす街灯の数々、ビルの壁に接続された大きなTV。
僕たちが住む街とは全く異なった世界。
僕は息苦しさを感じて、大きく息を吸って吐いて、狭い黒い空を見上げた。
すると、丁度目に入ったビルの壁に接続された大きなTV。
突然映像が切り替わったと思えば、画面の中にキミが映し出された。
少しドキリとした胸を右手で押さえ込み、じっとあの女性と同一人物のキミを見つめる。



あの、時。
あの、場所。
あの、光景。
あの、曲。
あの、歌う女性の姿。

あの、黒い車。
あの、黒い背広を着た男達。
あの、女性の表情。
あの、立ち去る黒い車。
あの、感じた不条理なさま。



全てが鮮明に思い出された。