「なあ、今日学校来たってことは、今日わ予定無しなんだよな!?」

仲の良い友人が、目を輝かせながら、僕の目の前にやって来た。
確かに昨日予定があり学校を休んだ為、今日わ何も予定が入っていなかった。

「うん、昨日で予定は済んだから、今日わ何も無いよ。」
「よし!なら、カラオケ行くぞ!!」
「………は?」



友人はいつも誘いが唐突。
目の前で嬉しそうにはしゃぐ友人に聞こえぬよう、僕はため息をついた。
それよりもだ、僕は昨日の出来事で気になる事が多々あり過ぎるのだ。
それが頭からなかなか離れなくて。
多分その理由は、あの女性のあんな表情を見たからで。
僕はあんな表情よりも、優しげな笑顔を見ていたいんだ。

僕は校庭にある桜の木をぼんやりと眺めた。
もう先ほどの友人のはしゃぐ姿なんて、帳の外。
モノクロになった帳の外の景色を横に、僕は鮮やかな優しげな桜だけに焦点を合わせた。


ーーあの女性は、こうあるべきだ、と思った。