「でさー。詩織がさー。」

あなたは知ってるのかな。
さっきから、詩織ちゃんのことしか話してない。

聞きたくないよ。

好きな人の好きな人の話なんて。

でも、私が何も言わずに、話を聞くのは、良い友達の関係を壊す勇気がないから。こわしたくないから。

「それは、あんたが悪いよー。もー、応援してるんだから頑張ってよーー!」

横から背中を押すことしかできない。