ふと優に視線をやった。

片づけていたはずが、出てきた計算機で夢中になって遊んでいる。



もうすぐ優は3歳になる。



俺はホストをして3年。



沙月はこの3年、優を育て仕事と家庭を守ってきたのだろう。



たった一人で・・・。



優というかけがえのないものを

こんなに優しく元気にたくましく成長させてきたその3年。



俺はといえば、つまらないことですべてが跡形もなく崩れてしまう様な


そんなものしか築けていなかったのかと改めて虚しく思った。



それに気付けずに自分は凄いと思って過ごしていた自分。


俺と優と同じ3年間。


俺にとってなんだったんだろう。



そんな楽をしてきたつもりは無い。


何かに追いかけられるかのように走り続けたような日々だった。


苦労もしたし

自分の体を壊し

心と体を切り売りするように傷つけてきた。



そうやって守ってきたはずだった。



それでも一瞬だった。



消えてしまうのは・・・。



俺には優のようなかけがえのないモノを残したとは思えない。




間違いなく今の時点では・・・。