そして、今生きているすべての人は

この世に生を受けた時は

純粋で濁りの知らない心を持って生れてきたんだと。



そう感じることで、嫌気がさしていた貪欲に歪んだ人の心が

少しかわいく思えた。



どこかに、ほんの少しでもキラリと光る部分が隠れている。



自分も含め・・・。



みんな自分を守るため嘘をつき

人を騙し、人を利用し、人を傷つける。




みんな自分が傷つくのが怖いから。


みんな自分が弱いから。



そんなに人は簡単には強くなれないから。



みんながみんな自分の保身のため人を傷つける。



その傷にいつか自分も傷つくことを知らずに・・・。



そんな生きる術を身につけてしまった大人が


優のように無邪気な小さい存在よりも弱く、もろく感じた。