仕事帰りのカップルがいろんなところで待ち合わせをしては

出会い、一緒にビルを後にする。


駅の近くのそのビルからは家路を急ぐスーツ姿の男性が次々と駅に吸い込まれていくのが見える。



みんなが何かに追われ何かに急かされていて


毎日がジェットコースターの様に過ぎていく


立ち止まる暇も無いかのように騒々しく感じる横で


優は一日が36時間ぐらいあるかのように


同じもので同じことを楽しそうに延々と遊んでいる。



その対照的な雰囲気を横目で見ながら、前の交差点に目をやると


彼女が少し焦った顔で信号を待っていた。



じれったく長いその赤信号を俺も彼女も見つめ続けた。