5月24日。

それは、俺の誕生日。

店にとっては一年で一番の儲け時といっていいくらい盛り上がる日。



黒くなったと感じる俺も、そんな事は言ってられない。


ホストとして、NO.1として

プライドもあるし見栄もある。

恥をかきたくないという羞恥心もある。



誕生日が近付くにつれ俺は着々と準備をしている。



いろんな女に電話をかけ

メールをし

黒い心を切り売りする俺



黒いと感じる俺を偽りとするかのように


最近の俺は激しく女に誘いをかけまくった。




そうする事で少しでも自分を肯定したかったのかもしれない。



そんな毎日、一日の終わりに優と共に彼女に会う・・・。



どっちの俺が本物で、どっちの俺が偽物なのか・・・。



自分でもわからない。



ただ一つ、間違いなく言えるのは


恋するなんて馬鹿らしい。


そんなものは必要ない。


とは言い切れなくなったこと。



そして

人を純粋に素直に好きと思えることに


少しの憧れみたいなものを感じていること。