仕事ももう終盤にさしかかり、残りの客が帰れば店は終わり・・・。


と、その時


「ママ・・・。」



目を擦りながら寝ぼけまなこのアイツが休憩室から出てきた。


俺の顔から血の気が引くのが完全にわかった。


(ヤバイ)



騒々しい掛け声と物音でホームシックになっているアイツは起きてしまい沙月を探しに出てきたのだろう。


俺が客の前で固まったままでいると、



「ごめんなさいね~。俺の甥っ子。ちょっと預かる羽目になちゃってさぁ~」



オーナーだった。

気を利かせてホローしてくれた。しかも自分の甥っ子として。


「え~かわいい~!!!」


「名前なんていうの??」


「すっごい目おっきい!!」


「かわいい~」


「あたしこの子でいいんだけどぉ~」



大人気だ。



今の時点でアイツは俺を差し置いてNO.1になってやがる。