ヒックヒック・・・

肩をまだ震わせている優を抱き上げゆっくりと螺旋階段を下りた。



「上まで登ってどうだった?楽しかったか?」


「ウン。オモシロカッタ。」


優の顔がライトが当たったようにパッと明るくなって元気よく答えた。


「バラバラ~ッテ、シタねん。」


「そっか。よかったな。でも一人で行ったらダメ。

次、行きたい時は俺と一緒。

わかった??次、一人で行ったらもっと怒るからな!!」


優の頭をクシャクシャと撫でて少し笑って見せると、優も安心したように笑顔になった。



「ハルとイッショデナイトアカンの??」


「そう。アカンの!!」



真似をしてみたものの3歳の慣れた関西弁にはやっぱり負けた。

そして、家に着いて二人で色の変わってしまった玉子を食べた。



久々に実家に電話をしてみよう・・・・


とも思ったけれど、照れくさく話始めの言葉が見つからず、電話はそのまま動きはしなかった。