俺22歳、アイツ3歳2ヶ月

「上に行ってみたかった。」


優の言ったその言葉。



そう本当にそれだけだったんだ。



エレベーターから部屋までのいつもの道のりの、その向こうへ。


一度も踏み出した事のないその場所へ。

ただ行ってみたかった。



見た事の無い世界を見てみたかった。

優にとっては、ただそれだけだった。



いつもと違う事をしてみたい。

その先に、怖いことや、辛いことが待ってるなんて想像もつかないし、想像すらしない。


ただ目の前の興味だけ・・・。



ワクワクする。



そんな気持ちだけだったのだろう。