俺がホストになって以来、最年少との同伴。


しかも同性。


どうすればいいかわからなくなった俺は仕方なく店に連れて行くことにした。



夜の街が賑やかになるだいぶ前、俺は逃亡者の様にコソコソと2歳のアイツの手を引いて店に逃げる様に入った。


オーナーだけが事務所にいる。

「おはようございます・・・。」

背中越しに声をかける。


こんな時間にいつも耳にしない声にオーナーはクルッと椅子ごと振り返った。


「おはよ・・・」


挨拶をしかかってオーナーもとまる。



そらそうだ。



朝からあった事、沙月との昔の事などなど。

俺がこの2歳と居るはめになったいきさつを話した。



オーナーは俺とは仲が良かった。

まあ、店で2番手とは雲泥の差でトップな俺は店にとっても貴重な存在だったからだろう。

俺には優しかった。



「まあ、休まれても困るし。事務所にいれば。


店に出るとマジ困るからそれだけちゃんと言い聞かせとけよ。


取りあえずしばらくはいいんじゃね。

事務所広いし。


でも、お前、絶対この辺のやつらに見られんなよ。

変な噂流されたらヤバイから・・・。」



オーナーはそう言いながら

休憩室のソファーにちょこんと座っておにぎりを両手で大事そうに食べているアイツに目をやった。