家に着いて風呂に入って出てきた頃には

優はもう眠そうに目を擦っては自分のタオルを握ってゴロゴロしていた。



部屋を暗くした途端、優はコテンと寝てしまった。



そんな優の平穏な寝顔を見ながら


沙月もこうして優との二人の時間を過ごしてきたんだと改めて思った。



3年間、きっと沙月は必死の思いだっただろう。

自分の夢も諦めざるを得なくなって

それでも後ろを向くことなく優を可愛がり、育て、躾けしてきたんだろう。



沙月が3年間、必死の思いで一人で子育てしてきたんだから


俺はたった半年の間だけれど優との生活を優の為に


父親らしく過ごしてみようと心に誓った。




それが沙月と優晴とを放っておいた俺に出来るせめてもの償いに思えたから。




そして、この機会が最後の父と子のふれあいになるかもしれないのだから・・・。