それはまるで魔法のようで





「意味分かんない!!
ホント、なんで私があんな目にあわなきゃいけないのよ」



「ん〜それは、モテるやつに好かれた宿命だろ」



グッと腕を引かれて死角になる階段の下に入り込んだ。



「…なに?今まで気付いて無かったの?」



…ちょっと急すぎてよく分かんないんですけど…



「ホント、バカだなお前。
ちゃんと言わなきゃわかんねぇのかよ」



…いや、なにドキドキいってるんですか、私の心臓。

そして、次の言葉に少しだけ期待してたりして。



「ずっと好きだったんだよ、菜々子のこと」



「…っ!!」



一気に暑くなる私の頬。ああ、きっと、真っ赤なんだろうな。



さっき叩かれたのが分かんなくなるくらいに真っ赤に染まっていた。