「先生!なんであたし、


帰ることになってるの?」




平井拓斗先生。


26歳。


あたしの塾の教師。


歳が近いから、たまーに敬語にするくらいで、ほとんどため口かな。



「なにいってんの?(笑)


今坂、今日旅行に行くんじゃねーの?


弟くんが言ってたけど…」




初耳ですけど!!!




「え、名前ってなに…?」



「は?おまえ、弟の名前も知らねーの?」



やばい、絶対やばいって!



弟の名前知らないとか


不自然すぎるーー!!!




「…っふ(笑)うそうそ(笑)


燎也、だってさ。弟くんも、


うち弟二人いるんで

燎也の方って言ってもらえれば、


って言ってたぞー(笑)」



「あっ!燎也…ね!ありがとう!」



…なんで?どういうこと?



なんで、燎也があたしの弟になってんの?



「いーまーさーかー!

起きろ(笑)

ほら早く支度してこっちこーい」


「え、あ、うん!」