「お母さん行ってきまーす!」
そう言ってドアを開けると、そこには私の幼馴染みの南琉生が壁にもたれて立っていた。
かっこよく学ランを着こなしていて、見とれてしまった。
「おい。早く乗れよ。遅刻しても知らねーぞ。」
そう言われて私は現実の世界に戻った。
「あ、そうだ!ごめんね。早く行こ!」
自転車の後ろにまたいで彼の背中を見ると逞しく思う。