佐々木は時雨に気圧されて二の句を告げれなくなっていた。 そんな佐々木を置いて、時雨は自分の席に戻ろうとした。 その時、本から目を離してこちらを見ている楓に気が付いた。 時雨は楓にさっきとは違う柔らかい微笑みを向けた。 楓は泣きそうな、それでも嬉しそうな表情で微笑み返してくれた。