「ここ、いいところだね」 「でしょ? ここはうちの学生は来ないから安心できるの」 「安心?」 おもわずでた、というような楓の『安心』という言葉に時雨は反応した。 「えっ、いや、ほらっ、ここは常連客がほとんどだから、顔見知りばかりになりから、そういう意味でってこと」 楓は焦っていた。 だが、別にこのことは普通なら気に止めないだろう。 しかし、楓の普段の事を考えると気になった。