約束という名の鍵



どうやら楓はこのカフェに頻繁に通っているようだった。


だが、時雨は少し驚いていた。


それは、楓が少なからず楽しそうに話ているからだ。


楓は普段、誰かと話すことも余りなければ、関わることをしない。


話したとしても、いつも感情が抜けたような声音だった。


そんな楓が感情を現して話しているのだ、驚かない方が無理だろう。


「マスター、今日は友達を連れてきたの」