約束という名の鍵



二人は揃って廊下に出て靴箱に向う。


靴を履いて校門を出ても二人は何も話さなかった。


少し歩いたところで、楓が口を開いた。


「ねぇ時雨くん、この近くにカフェがあるんだけど一緒に行かない?」


「カフェ?」


時雨は突然のお誘いに問い返してしまった。


「そう、私の行きつけなんだけど、シンプルな雰囲気で落ち着くところよ」


「へー、そうなんだ。いってみたいな」


時雨は素直にそう思った。


時雨自体、余り騒がしいところは好きではないので、カフェなどの静かなところは好きだった。


「そう、じゃあいきましょう」


その時時雨が見た楓は一見、無表情に見えるがどこかか嬉しそうに見えた。