「・・・ん、かなん、神南!」
目を覚ますとーーーあ、まださっきの道。縄がほどけてる。

「大丈夫か?お前、いきなり倒れたから、心配した。さっきのやつらにおそわれたのか?」
そ、空くん!助けてくれた!
私、私はーーーダメ。声がーーー
「神南?どうしたんだ?」
口をぱくぱく動かして、必死に伝える。分かり、ましたか?
「もしかしてお前、声がーーー?」
こくこく。
「え、と、とりあえず病院?あ、家にーーー立てるか?」

一応、立てるみたいです。よろよろするーーー。

「はい。乗れ。」
え?おんぶ?そんな、大丈夫です。
「いーから!」
じ、じゃあ。おいしょ。
「よし、行くぞ!」

怖かった。きっとあのままだったら私ーーー 
声が出なくなったのってやっぱり「あのこと」を思い出したからかな。
怖い。怖いよ。空くんの肩をぎゅっとつかむ。

「大丈夫だからな。きっと、大丈夫だからーーー」

空くんの声は、優しくて。私はしばらく泣いてたけど暖かくてすぐ、眠ってしまったーーー