眠らぬ場所で会いましょう

「さて、私も帰ろうかな」




レジに向かおうとする私の腕を、裕介はまた引っ張った。





「また、来るよな?」






「もちろん。ここは、私の冷蔵庫だもん。」




「ははっ! たまには、料理しろよ。」





「…食べてくれる人が、できたらね。」




あんまり爽やかな笑顔だったから



つい、言っちゃったよ。






「ふーん… 気の毒だな。真紀の実験台になる人。」




「何よ〜! それに、どさくさに紛れて、呼び捨てにするんじゃない!」




楽しそうに笑う彼の背中を、ポンと叩く。





「いいじゃん、真紀♪」




私の頭の上で、彼の大きな手がポンポンと跳ねる。






「もう… バカ裕介。」









周りから、この状態をみたら…





じゃれてる、とも言う。