そして、彼の退院の日が来た。




私はその日休みで、彼に会えなかった。





正確に言うと、抱きしめられた日から会ってない。






だから二人の微妙な関係も、あのままでストップしている。








でもコンビニは、いつもの場所にあって、私はいつもの様にドアを開ける。






「いらっしゃいませ〜」




彼の声を聞かなくなって、どれくらい経つだろう。





「このチョコ、最近お気に入りですよね。」



今日のレジは、守くん。




「うん。 あ… じゃあ、チョコさんとか呼ばれるのかな?」




笑ってそう言うと、




「真紀さんは、いや、小林さんは、ジャスミンさんですよ。」



と、笑顔を返してくれる。




「いいよ? 真紀で。」




どうして、言い直したのかな。





「いや… ユウが怒るんですよ。俺らが、真紀さんて言うと。自分は言うくせにね?」