眠らぬ場所で会いましょう

「…両方かな。未来ある若者の手が動かなくなったら、どうしようって。 ドキドキしてた。」





「はっ… またガキ扱い…」




視線を落とし、呟く彼。





「真紀さんから見たら、ガキかもしれないけど。 俺、男だよ。」




静かな部屋に響く、低い、穏やかな声。






「そりゃ… そうでしょ。そんなガタイで女だったら、気持ち悪いよ!」




さっきから、胸のドキドキが治まらなくて。




冗談まじりに返すのが、精一杯。








「だから… こんな事も出来る。」




チラッと私を見上げた彼は、私の腕を掴んだ。