眠らぬ場所で会いましょう

「退院決まったね。よかった…」




その日は忙しく、ゆっくり話す時間がなかった。





「でも、ちょっと寂しいかな。看護師さん、みんな優しいし。」




「フフッ… それが仕事だもん。」






「じゃあ… 真紀さんが俺に優しかったのも、仕事だから? それとも、怪我させた責任感じて?」





「えっ?…」




ベッドに座り、側に立つ私を見上げる彼の目は




戸惑ってしまうほど、私に真っ直ぐ向けられていた。